ラジオ局の物語 満ちても欠けても
都内の中堅ラジオ局ラジオ雛菊で深夜番組ミッドナイトムーンを作っているのはアナウンサーの天羽日向とディレクターの伊庭、ADの蒲田とミキサーの牛塚、そして放送作家の中村の5人だった。ラジオ大好きなメンバーたちによって個性的で魅力的な番組が今夜も流れる。
主人公は女性アナウンサーの日向かと思ったら、なんと毎回主人公が代わっていく一種のオムニバス恋愛ドラマであった。一歩間違えば薄っぺらくなるような、日常系のドラマであるが、水谷フーカの初々しさを表現できる画風によってどの話も微笑ましくも、それぞれの立場を微妙にドラマチックに仕立て上げていくのが心地よい。
サブタイトルがそれぞれ「○○の場合」ということで第一巻では6人の登場人物の恋模様が描かれる。